登録番号 | 農林認定 | − | |
種苗法 | − | ||
北海道優良品種 | ばれいしょ北海道輸第49号 | 1992. 3.21 | |
原品種名 | Atlantic | ||
地方番号 | (P892) | (輸入品種等選定試験の番号) | (1989) |
系統番号 | (C2) | (カルビーポテト(株)の試験番号) | |
組合せ | Wauseon×B5141-6 (1969 USDA) |
花 (北見農試) | 草姿 (北見農試) | 塊茎 (根釧農試) |
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用途 | 加工食品用(ポテトチップ) |
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長所 |
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短所 |
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(1)来歴
1969年にアメリカ合衆国メリーランド州ベルツビルにある USDA Plant Genetics and Germplasm Institute において、耐病、多収、加工品質に優れた品種の育成を目標に、多収で、肌が良く、そうか病及びジャガイモシストセンチュウに抵抗性の「Wauseon」を母とし、澱粉価が高く、ポテトチップの品質に優れた「Lenape」を父として交配し、選抜を加え、1976年「Atlantic」の名で公開したものです。 そう性は直立型で、茎長は「トヨシロ」よりやや短い。茎は緑色で、一部淡赤紫色を帯びます。小葉はやや幅広く大きい。花色は、極淡い青紫(うすい藤色)です。花は大きく、花数は中程度で、自然結果はみられません。
いもの着生はやや疎ですが、ストロンの離れは良い方です。いもの形は「トヨシロ」より丸く扁平度の小さい球で、皮色は淡褐色、表皮はややざらざらしています。目は浅く、数も少なく、外見は良い。肉色は黄白で「トヨシロ」よりわずかに黄色味がかっています。
萌芽期は「農林1号」より遅く「トヨシロ」並で、開花期は両品種に比べ少し早い。枯凋期は「トヨシロ」より10日程度遅い中生です。
株当り上いも数がやや少なく、上いも平均一個重は「トヨシロ」より大きく、粒ぞろいが良いのが特長です。上いも収量は「トヨシロ」並ですが、中以上いも収量は「トヨシロ」をやや上回り、澱粉価は1ポイントほど高い。施肥量及び栽植密度に対する反応は「トヨシロ」と同様、疎植にすると大粒化して上いも収量が低下します。
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を持ち、パソタイプRo1に抵抗性です。疫病抵抗性遺伝子R1を保有するが、圃場抵抗性が弱いので茎葉の罹病度は「トヨシロ」並ないしそれ以上で推移します。疫病菌による塊茎腐敗の発生は「男爵薯」に比べて少なく「トヨシロ」並の中。そうか病に対しては、「トヨシロ」などの罹病性品種より罹病が少なく抵抗性は中とされますが、「根育31号」よりはやや弱い。Yウイルスを汁液接種すると、えそ反応が強く現れるので、罹病株の判定は容易です。葉巻病は「男爵薯」並に発生します。中心空洞はほとんど認められませんが、褐色心腐が発生しやすく、本品種最大の欠点とされています。褐色心腐は7月に入ってから発生し、大いもで発生が多くなります。打撲には弱い。
肉質は粉質。煮くずれは「トヨシロ」並で「ホッカイコガネ」より多い。調理後黒変はわずか。剥皮褐変は少で、「男爵薯」より少ないが「ホッカイコガネ」より多い。
ポテトチップ用に適した品種です。秋のチップカラーは「トヨシロ」並で、長く低温貯蔵した後リコンデショニングすると「トヨシロ」よりカラーの戻りが良い。
道東、道北、道央北部及びこれに準ずる地帯に適する。
・褐色心腐が発生しやすいため、乾燥地を避け、十分な培土を行い、窒素の多用や疎植を避ける。