原品種名:Snow Flake
異名(日本):スノーフレーク、雪形
北海道農事試験場報告.1(1903.3) より
北海道農業試験場彙報第62号(1943)より
原品種名を「Snowflake」といい、1869年にアメリカにおいて「Early Rose」を母、「White Peachblow」を父とした交配から得られた品種です(1961年に育成された「Snowflake」は別の品種)。
明治8年(1875)に開拓使によってアメリカから輸入され、明治38年(1905)に優良品種に決定し、大正4年(1915)には「雪片」と改名されました。
明治の中頃以降、「アーリーローズ」とともに作付が増え、明治末から大正初め頃にかけて「アーリーローズ」に次いで作付の多かった品種ですが、ウイルスによる退化が著しく、他の病害に対する抵抗性も極めて弱く、収量も少ないことから、栽培面積が著しく減少し、大正13年(1924)に優良品種から廃止されましたが、昭和4年(1929)には北海道の作付面積の2%、昭和10年(1935)には1%程度栽培されており、昭和20年(1945)頃にもわずかながら栽培されていたようです。
熟期は中生です。花は咲きません。いもは短卵形で目が浅く形は良い。皮色は黄白色で表皮は粗い。粉質で食味も極めて良好なので、食用として珍重されていました。
“馬鈴薯”.北海道農事試験場彙報.6(1908)
“スノー、フレーキ 俗に雪形と称す、本道にて最も広く栽培せらるる中熟種なり、芽浅く外皮強くして磨れ難く、其皮及肉質共に白く形は楕円なり、味極めて美にして調理後粘気を呈せす、光沢ある粉状を為す、目下本道に栽培せらるる品種中第一の良種なり、唯其収穫量の稍少なきを欠点とす薯の大なるものは五十九匁ありて平均十九匁内外なり”
“開道50年記念北海道博覧会出品物解説書”.北海道農事試験場彙報.19(1918)
スノーフレーキ(Snowflake) 通称「雪片」、中熟種、草丈二尺二三寸、一般に開花することなし。塊茎扁楕円形、外皮及肉色共に白く、芽極めて浅く、頗る美味にして調理後粘気を呈せず光輝ある粉状を呈す。食卓用として最良の品種なり。収穫期八月下旬乃至九月上旬。
山崎俊次.“馬鈴薯の品種と其の特性”.北農.3(9),349-351(1936)
雪片(雪形、スノーフレーク)は花が咲かず、薯の形は短卵形、表皮面が粗で目が浅い。
山崎俊次.“馬鈴薯の品種と其の特性”.北農.3(9),349-351(1936)