登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林47号 | 2003. 9. 5 |
種苗法 | 第13878号 | 2006. 3. 9登録 | |
北海道優良品種 | ばれいしょ北海道第38号 | 2003. 2.21 | |
地方番号 | 北育5号 | (2000) | |
系統名 | 北系5号 | (1999) | |
系統番号 | K92027-3 | 1998年から北見農試で選抜 | |
組合せ | ムサマル×島系544号 (1992 根釧農業試験場) | 系譜図 |
花 (北見農試) | 草姿 (北見農試) | 塊茎 (北見農試) |
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用途 | 澱粉原料用 |
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長所 |
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短所 |
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北海道立根釧農試において、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を有する高でん粉価のでん粉原料用品種の育成を目標に、平成4年(1992)に「ムサマル」を母、「島系544号」を父として人工交配を行い、翌年より実生個体選抜を開始し、以降選抜を重ねてきたものです。平成10年(1998)以降は、馬鈴しょ科の移転に伴い北海道立北見農試において選抜を進め、平成11年(1999)より「北系5号」、平成12年(2000)より「北育5号」として関係機関に配布し、各種試験に供試して実用性を検討しました。その結果、ジャガイモシストセンチュウに抵抗性で、「コナフブキ」より早期肥大性に優れていたため、平成15年(2003)に北海道の奨励品種に決定しました。平成18年(2006)から一般栽培が始まり、作付面積は一時250ha程度まで増加しましたが、収量が期待ほど伸びないことが少なくないため、現在は100ha弱まで減少しているようです。
(系譜図)
そう性は「コナフブキ」よりやや開く“やや開張型”で、茎の長さは「コナフブキ」並の“長”、茎の太さは「コナフブキ」並の“中”です。茎の色は“緑”の一次色に“赤紫”の二次色が“斑状”に分布しています。分枝数は「コナフブキ」よりやや少ない“やや少”です。葉色は“緑”で、「コナフブキ」よりやや淡く、頂小葉及び小葉の大きさは“中”で、「コナフブキ」より大きい。花の数は「コナフブキ」より少ない“中”、花の大きさは「コナフブキ」並の“小”、花色の一次色は“赤紫系”で“白”の二次色が花弁の両面の先に分布します。花粉は「コナフブキ」並の“多”ですが、結果数は“少”で、「コナフブキ」より少ない。ふく枝の長さは「コナフブキ」より短い“短”、いも着生の深浅は「コナフブキ」並の“中”です。いもの形は「コナフブキ」の“”扁球に対し“球”、皮色は“黄褐”です。目の深浅は“中”で、「コナフブキ」より深く、肉色は「コナフブキ」と同様に“白”です。
枯凋期は「コナフブキ」より1週間程度早い“中生”で、休眠期間は「コナフブキ」よりやや短い“中”です。初期生育、早期肥大性とも「コナフブキ」よりはやい“”やや速です。上いも数は“やや多”、上いも平均一個重及び上いも重は“中”、でん粉価は“”高、でん粉重は“多”です。
褐色心腐は「コナフブキ」より多い“”多、中心空洞は「コナフブキ」並の“微”で、二次生長は「コナフブキ」より少ない“微”です。Yモザイク病抵抗性は“弱”で、「コナフブキ」のような抵抗性はありません。疫病圃場抵抗性は“弱”、塊茎腐敗抵抗性は“中”、そうか病抵抗性は“弱”で、いずれも「コナフブキ」並です。粉状そうか病抵抗性は“中”で、「コナフブキ」より弱い。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性抵抗性遺伝子H1を持ち、パソタイプRo1に対して抵抗性です。
でん粉の平均粒径は「コナフブキ」並の“やや小”で、リン含量は「コナフブキ」並の“”やや高、離水率は「コナフブキ」並の“中”です。糊化特性は、糊化開始温度は「コナフブキ」並の“やや高”、最高粘度は「コナフブキ」並の“高”、最高粘度時温度は「コナフブキ」並の“やや低”です。
適地:北海道のでん粉原料用ばれいしょ栽培地帯(主としてジャガイモシストセンチュウ発生地帯)
・9月下旬以降の収穫では「コナフブキ」よりでん粉重がやや少ないので、作付計画に留意する。
・褐色心腐の発生が「紅丸」並の“多”なので、培土などの栽培管理に留意する。
入谷正樹、伊藤武、村上紀夫、池谷聡、大波正寿、松永浩、千田圭一、関口建二
吉田俊幸(ジャガイモシストセンチュウ抵抗性選抜)