登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林2号 | 1945. 4 |
種苗法 | − | ||
北海道優良品種 | (1945-1959) | ||
地方番号 | − | ||
系統名 | 島系3号 | ||
系統番号 | 3701-28 | ||
組合せ | 男爵薯×Pepo (1937 北農試) | 系譜図 |
花 (北見農試 2007) | 草姿 (北見農試 2007) | 塊茎 (北見農試 2000産) |
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昭和12年(1937)に北海道農事試験場(現 (独) 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター)本場において、「男爵薯」を母、「Pepo」を父として交配した種子を、翌13年(1938)に島松馬鈴薯・玉蜀黍試験地における農林省指定酒精原料作物試験地(品種登録時には北海道農業試験場島松馬鈴薯試験地に改称)に配付し、以降選抜を重ね育成したもので、昭和20年(1945)に「馬鈴薯農林2号」として登録された。
北海道と山梨県が奨励品種に採用し、全国では昭和31年(1956)に春作として697ha作付され、北海道でも昭和27年(1952)に約260ha作付されたが、昭和34年(1959)に優良品種から廃止された。
(系譜図)
そう性は中で、茎長は中位で草勢が強く、茎数はやや多い。花は紫色で花弁の先は白い。ふく枝がやや長く、いも着は密ではない。いもは扁球形、皮色は淡黄白色で、目が浅く外観は良好である。
萌芽が早く、初期生育が旺盛で、いもの着生も比較的早くから始まり、肥大も速いので早掘り用としても利用可能である。開花期は「Pepo」より早く「紅丸」より遅いが、枯凋期は「紅丸」や「Pepo」より早い中晩生である。
いも数が多く、大いもは比較的少ないが、屑いもは少なく粒ぞろいは良好である。いも収量は「Pepo」より多く「紅丸」にほぼ匹敵し、中晩生種としては多収である。澱粉価は「Pepo」や「紅丸」より高い。年による変動が比較的大きい傾向がある。
疫病抵抗性は「紅丸」よりやや強く、ウイルス病にはそれほど弱くないが、ストリーク及びモザイクに比較的弱い。「ペポー」と同様に二次生長が発生しやすい。褐色心腐が発生しやすく、裂開もしやすいため商品価値が著しく低下する欠点もある。輪腐病に侵されやすく、青枯病にも弱い。
澱粉粒子も比較的良好で、食味も良いので食用及び澱粉原料用として適する。
比較的冷涼な気候に適するが、乾燥気味の気候、土壌においてもよい生産をあげ、低暖地よりむしろ高原などに適したものと思われる。
暖地においても比較的良い成績を示し、「男爵薯」に劣らない場合もある。
田口啓作、鈴木美代七、西村昌造、和田忠男、江口俊一、徳本尚史、関山治男
文献及び関連Web
農林省農業改良局研究部 (1954).「馬鈴薯農林2号」 『甘藷、馬鈴薯の新品種(其の一)』.農業改良技術資料41.pp.66-68
北海道農業試験場 (1946).「馬鈴薯新優良品種「馬鈴薯農林二号」及「馬鈴薯農林三号」の特性」 『北海道農業試験場時報』.197:1-8
田口啓作,佐藤亮 (1946).「馬鈴薯新優良品種「馬鈴薯農林二号」及「馬鈴薯農林三号」」 『北農』.13(1):4-11
北海道立農業試験場 (1952).「16 馬鈴薯」 『主要農作物優良品種の解説』.pp.153-167
田口啓作 (1963).「V. 馬鈴薯の栽培」 『作物体系 第5編 いも類』.養賢堂.pp.25