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(1)来歴
アヤコマチ(九州134号)は、加工・青果用高カロテン品種の「サニーレッド」を母、外観及び貯蔵性に優れる高カロテン系統「ハマコマチ」を父とする交配組合せにより、独立行政法人農業技術研究機構九州沖縄農業研究センターで育成されたもので、平成15年に命名登録された。
(2)形態的特性
しょ梗の長さは「中」、強さは「中」、いもの形状は「紡錘形」、大きさは「中」、外観は「上」である。いもの皮色は「赤」、肉色は「橙」で、カロテンを多く含む。
(3)生態的特性
萌芽の遅速は「中」、萌芽揃いの整否は「やや不整」、萌芽の多少は「中」、萌芽性は「中」である。育成地における上いも収量は標準栽培で「サニーレッド」並である。
(4)病害虫抵抗性
病虫害抵抗性は、サツマイモネコブセンチュウ抵抗性は「強」、ミナミネグサレセンチュウ抵抗性は「やや強」である。黒斑病抵抗性は「中〜弱」である。貯蔵性は、「コガネセンガン」、「高系14号」より優れ、「易」である。
(5)品質特性及び加工適性
標準栽培において、蒸しいもの肉色は「橙」、肉質は「やや粘質」、蒸しいもの繊維は「やや少」、黒変度は「中」である。食味は「中〜やや上」で「サニーレッド」よりやや優れる。既存の加工・青果用のカロテン品種「サニーレッド」より調理適性が優れ、いもの外観及び蒸しいもの食味も良いので、調理及び青果用として利用できる。
(6)栽培上の注意
黒斑病抵抗性が「中〜弱」であるので、同病害の多発地帯では防除に努める。