ながさき黄金
出願番号 |
29943 |
出願年月日 |
2015/02/23 |
出願公表の年月日 |
2015/07/27 |
登録番号 |
28235 |
登録年月日 |
2020/12/09 |
育成者権の存続期間 |
25年 |
育成権の消滅日 |
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全体 |
草姿 |
塊茎 |
花 |
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地上部の特性
出芽期は春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」よりも早く,茎葉の熟性は「ニシユタカ」と同等で,「デジマ」より早い“中晩生”である.草性は春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」並みの“やや直”であり,茎長は「ニシユタカ」よりも長く,「デジマ」と同等である.茎数は春作では「ニシユタカ」,「デジマ」よりやや多く,秋作では「ニシユタカ」と同等で,「デジマ」よりやや少ない.茎の太さは春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」並みの“中”で,茎のアントシアニン着色の程度は,「ニシユタカ」,「デジマ」の“無”に対し“弱”である.複葉の大きさは春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」並みの“中”であり,葉の緑色度は「ニシユタカ」よりやや淡く,「デジマ」と同等の“中”である.
春作での開花は「ニシユタカ」,「デジマ」より多い“多”で,秋作では開花しない.花色は“紫系”である。
地下部の特性
上いも重は春作では「ニシユタカ」の82%程度であり,「デジマ」よりやや少ない.秋作では「ニシユタカ」の89%程度であり,「デジマ」より少ない.上いも数は春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」より多い.上いも平均重は春作・秋作ともに「ニシユタカ」,「デジマ」より小さい.ふく枝の長さは「ニシユタカ」よりもやや長く,「デジマ」よりやや短い“やや短”である.いもの形は“短卵形”である.皮色は“黄”で,目の深さは「ニシユタカ」よりやや浅く,「デジマ」と同程度の“浅”である.表皮のネットは“微”で「ニシユタカ」より滑らかで,「デジマ」と同程度である.いもの形の揃いが良く,春作での外観は“中〜やや良”,秋作では“やや良〜中”である.肉色は“黄”で,でん粉価は「ニシユタカ」,「デジマ」より高い.休眠期間は「ニシユタカ」より短く,「デジマ」と同程度の“短”である。
病虫害抵抗性
病虫害抵抗性は,ジャガイモシストセンチュウに抵抗性で,そうか病抵抗性は「ニシユタカ」,「デジマ」よりも強い“中〜やや弱”である.Yウイルス抵抗性はO系統,T
系統ともに“抵抗性”である.青枯病抵抗性は「ニシユタカ」,「デジマ」よりも強い“強”である.塊茎腐敗抵抗性は「ニシユタカ」よりもやや強く,「デジマ」と同程度の“やや弱”である.疫病抵抗性は「ニシユタカ」と同程度で,「デジマ」よりやや弱い“やや弱”である。
調理特性
(1)蒸しいも
春作・秋作ともに蒸しいもの肉色は“黄”で,肉質は“やや粉〜粉”,加熱後の黒変は“微”である.食味は「ニシユタカ」,「デジマ」よりも優れる“良〜やや良”である。
(2)水煮
煮くずれは「ニシユタカ」より多く,「デジマ」よりやや少ない“少〜中”で,調理後の黒変は「ニシユタカ」と同程度で,「デジマ」よりやや多い“微〜少”である.食味は,蒸しいもと同様に“やや良〜良”である.
(3)ポテトチップ加工適性
A社によるポテトチップ加工適性調査より,春作産ではアグトロン値が「トヨシロ」と同等で,外観は“やや良〜中”であるが,肉色が黄色であるため,適性は“やや不良”であった.春作・秋作ともにリコンディショニングによるアグトロン値の上昇が「トヨシロ」より大きかった.
また,B社では,春作産ではアグトロン値が「トヨシロ」よりやや高いが,外観および適性は“やや不良”とされた.秋作産ではアグトロン値が春作産より低く,外観および適性は“やや不良〜不良”とされた.
一方,C社では,アグトロン値が「トヨシロ」よりやや高く,外観は“良”であった.適性は“やや不良”だが,独特の食感や色から総合評価は“やや良”とされた.総合すると,通常のポテトチップ適性は低いが,外観品質は良好であるため,特徴を生かしたポテトチップに利用できる可能性はあると考えられる。
品種登録者の名称及び住所
長崎県
登録品種の育成をした者の氏名
森一幸 中尾敬 坂本悠 田宮誠司 草原典夫 渡邊亘 松尾祐輝 向島信洋