登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林49号 | 2004. 1.26 |
種苗法 | 第14040号 | 2006. 3.20登録 | |
北海道 | (地域在来品種等) | ||
地方番号 | 北海86号 | (1998) | |
系統名 | 島系591号 | (1999) | |
系統番号 | 91014-29 | ||
組合せ | 北海77号×87028-6 (1991 北海道農業試験場) | 系譜図 |
花 (北海道農業研究センター) | 草姿 | 塊茎 (北海道農業研究センター) |
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旧農林水産省北海道農業試験場(現(独)北海道農業研究センター))において、赤皮黄肉でジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ高品質生食用品種育成を目標として、「北海77号」を母、「87028-6」を父として平成3年(1991)に交配採種し、翌4年に播種した実生集団より選抜された系統です。両親とも赤皮品種「Kastor」にジャガイモシストセンチュウ抵抗性を付与した系統で、赤皮黄肉色で調理特性が優れ、多収です。
(系譜図)
平成5年(1993)に第二次個体選抜試験、平成6年に系統選抜試験を行い、平成9年の生産力検定試験で有望と判定し、「島系591号」の系統名を付しました。翌10年の生産力検定試験及び系統・地域適応性検定試験で優れていると評価され、「北海86号」の地方番号を付しました。平成11年より奨励品種決定調査、平成12年より奨励品種決定現地調査に供試し、生食用品種としての実用性について検討してきましたが、平成12年及び13年の塊茎の中心空洞の多発生により、一旦奨励品種候補からの取り下げを決定しました。その後、中心空洞が見られなかった現地より品種化への要望が高まったため、登録申請を行うこととしました。
茎長は「男爵薯」よりも長く「ベニアカリ」並の中に属します。茎色は紫で、茎の太さは「男爵薯」より太く「ベニアカリ」並のやや太です。分枝数は少で、そう性はやや直立です。葉は「男爵薯」と同じ濃緑で、小葉の大きさは「男爵薯」並の大、小葉着生の粗密はやや密です。開花数は中、花色は赤紫で、自然結果は少です。いもの形は扁球形で、皮色は赤、目の深さはやや浅に属します。肉色は黄色です。皮色は鮮やかな赤色で、肉色は黄色のため、非常に特徴的な外観特性です。
茎葉の熟性は「男爵薯」よりも遅く「ベニアカリ」並の中生です。塊茎の早期肥大性は「男爵薯」や「ベニアカリ」より遅いやや遅です。上いも重及び中以上いも重は「男爵薯」並の少です。上いも数は「男爵薯」並の中で、上いも平均一個重は「男爵薯」並の小です。いもの休眠期間は「男爵薯」並のやや長です。
ウイルス罹病時の主な病徴はれん葉モザイク症状及び葉巻症状であり、Yモザイク病抵抗性は「男爵薯」並の弱です。疫病圃場抵抗性及び疫病による塊茎腐敗抵抗性は「男爵薯」並の弱です。そうか病抵抗性は「男爵薯」よりやや強いやや弱、粉状そうか病抵抗性も「男爵薯」よりやや強いやや弱に蔵する。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を持ち抵抗性は強い。
いもの裂開は「男爵薯」並の無です。二次生長と褐色心腐は「男爵薯」より少ない無ですが、中心空洞は「男爵薯」より多い中です。でん粉価は「男爵薯」よりも1〜2%ポイント程度高く中です。水煮による煮崩れの程度は「男爵薯」並の中、調理後の肉質はやや粉質です。水煮後の黒変はみられません。チップ・フライの褐変程度は「男爵薯」並の中で、油を用いる調理については、フライ適性はありますが、チップ適性はありません。食味は「男爵薯」並の中上で、用途は調理用です。
・ いもの中心空洞が「男爵薯」より発生しやすいので、浴光育芽等により萌芽と初期生育を確保し、いもが急激に肥大する疎植・多肥の栽培条件を避ける。
・ 試作栽培を十分行って、商品栽培の可否を決定する。
・ 当面は、北海道の十勝管内を普及対象地域とする。
良食味の赤皮黄肉ばれいしょ「スタールビー」 (北海道農業研究センター生まれの作物たち 北海道農業研究センター育成品種一覧)
スタールビー (ジャガイモ博物館)