登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林18号 | 1969. 5 |
種苗法 | − | ||
北海道優良品種 | ばれいしょ北海道第11号 | 1971.6.17登録 1981.4.16廃止 |
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地方番号 | 北海47号 | ||
系統名 | 島系479号 | ||
系統番号 | 60083-10 | ||
組合せ | オオジロ×Hochprozentige (1960 北海道農業試験場) | 系譜図 |
花 (北見農試) | 草姿 | 塊茎 (田中智) |
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昭和35年(1960)に北海道農試において、高澱粉価の早生品種の育成を目指し、早生食用で短休眠の品種「オオジロ」を母、ドイツから導入した超高澱粉品種「Hochprozentige」を父として人工交配を行い、選抜されたものです。昭和41年(1966)に「島系479号」、昭和42年(1967)に「北海47号」として澱粉原料用としての地方適否を検討した結果、昭和44年(1969)に「ばれいしょ農林18号」として登録され、「タルマエ」と命名されました。
熟期が早い割に澱粉収量が多いので期待されていましたが、軟腐病に極めて弱いため栽培は伸びず、昭和47年(1972)に284ha栽培されたのを最高に減少に転じ、昭和56年(1981)に優良品種から廃止されました。
(系譜図)
そう性は中程度で「農林1号」よりやや開張です。茎長は「農林1号」並で、茎数はやや多い。茎色は緑色です。萌芽時の葉色は紫を帯びた濃緑色で、生育が進むと緑色になります。小葉はやや大きく、平滑でやや光沢があり、着生は密です。花は淡紫色で数は多い。
いもの着生は密ですが少し深い。いもの形はやや扁平な長卵形で、形のくずれはなく粒ぞろいもよいですが、一個重がやや小さい場合があります。皮色は淡褐色で目の深さは中ですが、大いもにはまゆ(退化葉跡)の切り込みが鋭い傾向があります。いもの外観はやや劣ります。
黄変期は「農林1号」より約1週間早い中晩生です。いもの肥大は「農林1号」とほぼ同様ですが、澱粉価が4ポイント前後高いので、澱粉収量は常に20〜30%上回っています。枯凋期後の収穫では、いも収量は「農林1号」並で、澱粉価は21%前後、澱粉収量で約20%増となります。いも収量は多肥栽培で増収しますが密植効果は小さい。
疫病抵抗性主働遺伝子を持たず、罹病経過は「農林1号」よりやや進行が早い。ウイルス病には特に弱くありませんが、えそモザイクを散発的に発生することがあります。軟腐病に弱い。青枯病には普通程度に罹病します。
澱粉粒子は「農林1号」より大きいですが、粒径分布は「農林1号」に似ています。
水煮すると、煮くずれしやすく糊状になり、調理には不適です。
用途は澱粉原料用です。
全道一円の澱粉原料地帯に適応するとされていました。
・現在の澱粉原料用品種の枯凋期は中晩ないし晩生品種で占められているが、澱粉工場の操業上なるべく早熟性のものが要望されていることもあり、当初は2割20%、将来は5割以上を本品種に交替してもよいと考える。
・澱粉蓄積は常に「農林1号」を上回るので、早掘りしてもよい。
・初期生育が旺盛で、茎葉も繁茂する傾向があるので、栽植密度はやや疎植にすることが望ましい。
・疫病に対しては「紅丸」と同様に防除する。
・「ビホロ」と異なり肥料には敏感で多肥栽培で増収する。
・小粒になりがちですが、ハーベスターを使用すれば全く問題ありません。貯蔵性については特に心配ない。
高瀬昇、永田利男、梅村芳樹、田畑建司、入倉幸雄、阿部政行、岡啓