コナユタカ
登録番号 |
農林認定 |
ばれいしょ農林66号 |
|
種苗法 |
27260 |
2019.2.12 |
北海道優良品種 |
ばれいしょ北海道第53号 |
2014.1.13 |
地方番号 |
|
北育20号 |
2011 |
育成地番号 |
|
北系38号 |
2009 |
|
|
塊茎 |
花 |
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
|
来歴
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性およびジャガイモYモザイク病抵抗性を持つでん粉原料用品種の育成を目標として、「根育38号」を母、「K99009-4」を父として、平成15(2003)年に北海道立北見農業試験場(現・北海道立総合研究機構北見農業試験場)にて人工交配を行い、平成16(2004)年に播種した実生集団より選抜された系統である。多収でジャガイモシストセンチュウ抵抗性およびジャガイモYモザイク病抵抗性を持つことから、平成23(2011)年に「北育20号」の地方番号を付与して実用性を検討した。
系譜図
概要
でん粉原料用系統で、ジャガイモシストセンチュウとジャガイモYモザイク病に対して抵抗性を持つ。枯ちょう期は「コナフブキ」よりやや遅い晩生で、上いも重およびでん粉重は「コナフブキ」より多い。
形態的特性
幼芽の大きさは小、幼芽の形は円錐形、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱は強、幼芽の頂部の基部に対する大きさは中、幼芽の頂部の型は中間、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱は強、幼芽の根端の数は中、植物体の草姿は直立、小葉の重なりは中間、複葉の緑色の濃淡は濃、第二側小葉の長幅比は中、植物体の草高は高、花の数は多、花冠の大きさはやや大、花冠内面のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、やくの色は黄橙、枯ちょう期はかなり晩、塊茎の形は円形、塊茎の皮色は黄、塊茎の目の基部の色は黄、塊茎の表皮のネットは少、塊茎の肉色は淡黄である。
生態的特性
休眠期間は「コナフブキ」と同様のやや長、枯凋期は「コナフブキ」よりやや遅い晩生。「コナフブキ」に比較して上いもの平均重は重く、上いも重は「コナフブキ」を上回る。でん粉価はやや低いが、でん粉重は「コナフブキを」上回る。
病害虫抵抗性
Yモザイク病抵抗性は強、疫病圃場抵抗性は弱、塊茎腐敗抵抗性は極弱、そうか病抵抗性は弱、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を有し抵抗性は強である。
品質特性
でん粉の品質は、平均粒径が「コナフブキ」より大きく、「紅丸」並である。離水率は「コナフブキ」並で、「サクラフブキ」より低く、「紅丸」より高い。リン含量は「コナフブキ」並かやや低く、「紅丸」より高い。糊化特性では、糊化開始温度は「コナフブキ」、「サクラフブキ」より低く、「紅丸」よりやや高い。最高粘度、ブレークダウンは「コナフブキ」並である。ゲル物性では、破断強度は「コナフブキ」、「紅丸」よりやや大きく、破断歪みは「コナフブキ」並である。総じて、でん粉品質は「コナフブキ」並である。
栽培上の注意点
疫病菌による塊茎腐敗に対する抵抗性が“ごく弱”であるので、疫病防除を適切に行うとともに、塊茎腐敗に効果のある薬剤の使用、排水不良圃場での栽培を避けるなどの対策を講じる。
育成従事者
大波正寿、藤田涼平、中山輝、萩原誠司、江部成彦、池谷聡、千田圭一、田中静幸、入谷正樹、伊藤武、竹内徹
関連Web
http://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kenkyuseika/gaiyosho/26/f0/02.pdf
(農業技術情報広場 研究成果概要)
http://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kenkyuseika/panf/26/3.pdf
(農業技術情報広場 研究成果パンフレット)
https://potato-museum.jrt.gr.jp/konayutaka.html
(ジャガイモ博物館 品種解説)
http://ebook-viewer.com/imoshin/pdf/122009.pdf
(いも類振興情報 新品種紹介)
https://www.alic.go.jp/content/000126599.pdf
(砂糖類・でん粉情報)
https://www.hokuren.or.jp/common/dat/agrpdf/2014_1006/1412563882550661727.pdf
(アグリポート センチュウ対策)
https://www.hro.or.jp/list/agricultural/research/kitami/seika/kitseika/H29antei.pdf
(コナユタカの安定栽培技術)