コナヒメ

登録番号 種苗法 25692 2017.2.22
北海道優良品種 ばれいしょ北海道第56号 2016.2.3
地方番号 HP07(輸入品種等選定試験供試番号) 2013

塊茎
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来歴

ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つでん粉原料用品種の育成を目標として、高でん粉価で疫病真性抵抗性主働遺伝子R2を持つジャガイモシストセンチュウ抵抗性系統「DP01」を母、「コナフブキ」を父として平成15 (2003) 年にホクレン農業総合研究所恵庭農場にて人工交配を行い、選抜された系統である。平成25(2013)年より「HP07」の系統名を付与して実用性を検討した。
系譜図

概要

でん粉原料用で、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ。枯ちょう期は「コナフブキ」並の中晩生で、上いも重は「コナフブキ」よりやや重く、でん粉重は「コナフブキ」並である。早掘適性があるので秋まきコムギの前作として作付けできる。

形態的特性

幼芽の大きさは中、幼芽の形は球形、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、幼芽の頂部の基部に対する大きさは小、幼芽の頂部の型は閉じる、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、幼芽の根端の数はやや多、植物体の草姿はやや直立、小葉の重なりは中間、複葉の緑色の濃淡は中、第二側小葉の長幅比は中、植物体の草高は中、花の数は少、花冠の大きさはやや大、花冠内面のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、やくの色は黄、枯ちょう期は中、塊茎の形は卵形、塊茎の目の数はやや少、塊茎の皮色は黄、塊茎の目の基部の色は黄、塊茎の表皮のネットは中、塊茎の肉色は白である。

生態的特性

休眠期間は「コナフブキ」よりやや短い中、枯凋期は「コナフブキ」と同様の中晩生。「コナフブキ」に比較して上いもの平均重は軽いが上いも数は多い。上いも重は「コナフブキ」を上回るがでん粉価が低いため、でん粉重は同等である。褐色心腐の発生程度が「コナフブキ」より高い“少”である。

病害虫抵抗性

Yモザイク病抵抗性は弱。疫病抵抗性は強であるが、圃場抵抗性ではなく真性抵抗性と推定される。塊茎腐敗抵抗性はやや強 そうか病抵抗性は弱 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を有し抵抗性は強である。

品質特性

でん粉の品質は、平均粒径が「コナフブキ」より大きく、離水率、リン含量は「コナフブキ」よりやや低い。糊化特性は、糊化開始温度、最高粘度、ブレークダウンが「コナフブキ」よりやや低く、最高粘度時温度は高い。白度は、「コナフブキ」並からやや低い。

栽培上の注意点

1)褐色心腐の発生程度が「コナフブキ」より高い“少”であるので、適切な肥培管理や十分な培土を行う。
2)疫病抵抗性であるが、抵抗性を侵す新レース出現の恐れがあるため、「コナフブキ」に準じた防除を行う。

育成従事者

安田慎一 三上晃一郎 守屋明博 板谷智靖 福田朋彦

関連Web

http://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kenkyuseika/gaiyosho/28/f0/03.pdf
(農業技術情報広場 研究成果概要)

https://potato-museum.jrt.gr.jp/konahime.html
(ジャガイモ博物館 品種解説)

http://ebook-viewer.com/imoshin/pdf/122013.pdf
(いも類振興情報 新品種紹介)




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