登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林45号 | 2002.12.19 |
種苗法 | 第8550号 | 2000.12.22登録 | |
北海道 | (地域在来品種等) | (2012取消) | |
地方番号 | − | ||
系統名 | − | ||
系統番号 | 90110-2 | ||
組合せ | KW85091-21×島系284号 (1990 北海道農業試験場) | 系譜図 |
花 (北見農試) | 草姿 | 塊茎 (北見農試) |
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平成2年(1990)に北海道農業試験場において、塊茎の肉全体がアントシアニンで紫色を呈する品種の育成を目標に、S.tuberosum ssp.andigenaに由来する維管束内部が紫色の「KW85091-21」を母、「島系284号」を父として交配した中から選抜されたものです。北海道農業試験場と和田精糖・浅田飴との共同育成品種として、平成12年(2000)12月に種苗登録され、起源地と紫皮紫肉にちなんで「インカパープル」と命名されました。また、平成14年(2002)には農林45号として登録されました。
平成18年(2006)には28ha作付されています。
系譜図
茎長は「男爵薯」及び「農林1号」より長い長で、茎色は赤紫、茎の太さは「男爵薯」及び「農林1号」より太い太です。分枝数は中、そう性は直立型です。葉の色は「男爵薯」より淡く「農林1号」と同じ緑で、小葉の大きさは「男爵薯」より小さく「農林1号」と同じ中、花色は紫で、花粉量は中、自然結果は稀です。いもは楕円形で皮色と肉色は紫で明らかな特徴となっています。目の深さは浅で、いもの粒揃いは「農林1号」より悪くやや否です。
出芽期及び開花期は、ともに「男爵薯」及び「農林1号」より遅い。茎葉の熟性は「男爵薯」よりも遅く「農林1号」並の中晩生です。早期肥大性は「農林1号」より劣り、やや遅です。上いも重及び中以上いも重は「男爵薯」並の少で熟期の割には低収です。上いも数は「男爵薯」より少ない少です。上いも平均一個重は「男爵薯」よりやや大きくやや小です。二次生長は少、裂開は微です。いもの休眠期間は「男爵薯」より長くごく長です。
ジャガイモそうか病抵抗性は「男爵薯」及び「農林1号」より強く中、粉状そうか病抵抗性は「男爵薯」及び「農林1号」より強い強です。疫病圃場抵抗性は「男爵薯」及び「農林1号」より強く強、疫病による塊茎腐敗抵抗性は「農林1号」並の中です。葉巻病抵抗性とYモザイク病抵抗性は「男爵薯」並の弱です。ジャガイモシストセンチュウには感受性です。
褐色心腐は「男爵薯」より多く「農林1号」並の少、中心空洞は「男爵薯」より少なく「農林1号」並の微です。澱粉価は「男爵薯」および「農林1号」より高い高で、20%前後になります。調理後の肉質はやや粘質、調理後黒変の程度は「農林1号」並の中、煮崩れの程度は「男爵薯」並の中です。チップ・フライの褐変程度は「男爵薯」及び「農林1号」よりも少ない少で紫色を生かしたチップ用としても利用できます。フライの乾湿は「男爵薯」より良くやや乾です。食味は「男爵薯」並の中上で、用途は調理用です。
アントシアニン色素(ペタニン:紫色)を、生いも1gあたり1.79mg含有し紫肉色を呈します。なお、ばれいしょアントシアニンは、高い抗酸化性を示すとともに、お茶の実に含まれるサポニンに匹敵する抗インフルエンザウイルス活性を有しています。
適地:北海道
普及見込み先:奨励品種としての採用予定はないが、北海道で地域特産品種として利用される。
(普及見込み面積 100ha)
梅村芳樹、中尾敬、小原明子、森元幸、米田勉、木村鉄也、吉田勉
隅田隆男、高松直、林一也、大川豊、岡田亨
森元幸・高田明子・高田憲和・小林晃・津田昌吾・中尾敬・梅村芳樹・林一也 (2009).肉質部にアントシアニン色素を含有する有色バレイショ新品種「インカパープル」および「インカレッド」の育成.育種学研究.11(2):45-51
“バレイショのアントシアン高含有品種の育成(1)2倍体系統交雑後代における色素量の増加”.育雑42(別1),354-355(1992)林一也、鈴木敦子、津久井亜紀夫、高松直、内藤功一、岡田亨、森元幸、梅村芳樹.“新品種カラーポテトのアントシアニン,ビタミンC,食物繊維,スクロースについて”.日本家政学会誌.48(7):589-596(1997)
紫色のカラフルポテト「インカパープル」 (北海道農業研究センター生まれの作物たち 北海道農業研究センター育成品種一覧)