はりまる
出願番号 |
27735 |
出願年月日 |
2012/12/26 |
出願公表の年月日 |
2013/03/25 |
登録番号 |
25695 |
登録年月日 |
2017/02/24 |
育成者権の存続期間 |
25年 |
育成権の消滅日 |
|
 |
 |
 |
塊茎 |
塊茎(切断面) |
草姿 |
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
|
概要
農学研究科附属食資源教育研究センター(兵庫県加西市では、神戸大学における初めての品種作出に向けて、2007年からバレイショの品種改良に取り組み、2012年に「はりまる」を育成した。現在は品種登録の出願中であるが、このたび商標登録が完了し、「はりまる」の本格的な普及を目指すこととなった。なお、品種名「はりまる」の命名には、当センター所在地である播磨地域の特産品として普及してほしいとの願いが込められている。
関西地方で広く流通しているバレイショ品種の「メークイン」は、イモの緑化が起こりやすい、二次成長(イモが変形しやすい、疫病に弱いなど、生産者にとっては作りにくい品種であるが、料理の際に煮崩れしにくい特徴を持つため消費者には好まれている。「はりまる」は「メークイン」と同様に煮崩れしにくいイモであるが、消費者だけでなく生産者にとっても好まれる品種を目指し、晩生で疫病にかかりにくいこと、二次成長しにくいことなど、「メークイン」での問題点の改善を行った品種である。
現在は播磨地域での普及に向けて、現地の農家に「はりまる」の試験栽培を依頼しており、収量や品質などについて地域適応性の確認を行っている。また、慣行栽培だけでなく、減農薬や有機栽培などの農家のニーズにあった栽培技術の確立をめざし、栽培試験も行っている。
今後は、姫路を中心とする播磨地域の食料品店や小売店での「はりまる」の販売なども視野に入れて、普及活動を行っていく予定である。
- 新規性神戸大学初となる作物品種を育成したこと
- センター所在地である播磨地域の特産品を目指した取り組みであること
- これまで国や県の試験場を中心に行われてきたバレイショ育種を大学が始めたこと
登録品種の植物体の特性の概要
幼芽の大きさはやや大、幼芽の形は卵形、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱は中、幼芽の頂部の基部に対する大きさは小、幼芽の頂部の型は開く、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱は中、幼芽の根端の数は少、植物体の草姿は開張、小葉の重なりは重なる、複葉の緑色の濃淡は中、第二側小葉の長幅比は中、植物体の草高は低、花の数はかなり少、花冠の大きさは中、花冠内面のアントシアニン着色の強弱はやや強、やくの色は黄橙、枯ちょう期はやや早、塊茎の形は短卵形、塊茎の目の数は少、塊茎の皮色は赤斑、塊茎の目の基部の色は赤、塊茎の表皮のネットは無、塊茎の肉色は明黄、上いも重はやや軽、上いも数はやや多、上いもの平均重は中である。
出願品種「はりまる」は、対照品種「キタアカリ」と比較して、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱が中であること、花冠内面のアントシアニン着色の強弱がやや強であること等で区別性が認められる。対照品種「ムサマル」と比較して、幼芽の大きさがやや大であること、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱が中であること、小葉の重なりが重なるであること等で区別性が認められる。
品種登録者の名称及び住所
国立大学法人神戸大学
登録品種の育成をした者の氏名
橋爪浩和 冨士松雅樹 不断哲男 小間康史 保坂和良 實友玲奈 小野聖二郎
石井尊生・農学研究科附属食資源教育研究センター長
電話番号:078-803-5825
メールアドレス:tishii@kobe-u.ac.jp