登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ導入2号 | 1954. 4 |
種苗法 | − | ||
長崎県優良品種 | 廃止 | ||
地方番号 | |||
系統名 | |||
系統番号 | 125-4 | ||
組合せ | (1948 E.J. Wheeler 導入) |
花 (北見農試) | 草姿 (根釧農試) | 塊茎 (田中智) |
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用途 | 食用 (暖地二期作用) |
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長所 |
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短所 |
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「ホイラ」はアメリカ合衆国で育成され、昭和23年(1948)4月当時のGHQ天然資源局要員のホイラー氏(E.J.Wheeler)により「125-4」の系統名のまま導入された品種です。農林省札幌農事改良実験所島松試験地で昭和25(1950)まで隔離栽培並びに特性調査を行い、翌年より府県に配布し地方適否を試験した結果、昭和29年(1954)4月「ばれいしょ導入2号」として登録、「ホイラ」と命名され、長崎県で優良品種に取り上げられました。
昭和40年(1965)には全国で春秋合わせて483ha作付されました。現在は奨励品種としている都道府県はありませんが、原採種栽培は行われており、平成15年(2003)には愛知県の春作で16ha作付されています。
そう性はやや直立性で強く、茎長は必ずしも高くありません。白色の花を着生します。
いもは球形で皮色は黄白、肉色は白です。
休眠期間は「農林1号」より長い。熟期は中晩生に属しますが、いもの肥大は速い。いもの粒ぞろいは良く、上いも歩合が高い。澱粉価は低い傾向にありますが、西南暖地では春秋作ともに多収です。
PVY-Oによる病徴はえそ型、PVY-T接種による第1次病徴は接種葉、全身とも無病徴ですが、第2次病徴による病徴は極軽いれん葉ないしモザイク症状を現し、さらに極軽い葉の裏の脈えそを現しますが、いずれの病徴も不安定です。PVAには感受性で、本品種はわが国でPVAの発生が初めて確認された品種でした。PVX-oには感受性ですが、PVX-bには抵抗性です。PVSにも抵抗性です。PLRVによる葉巻病の接種後の病徴は、上葉が退緑して巻き上がり、やがて中葉以上の葉が退緑して巻き上がりますが、植物はあまり直立性となりません。
疫病に対しては、「男爵薯」より強いが「農林1号」より弱い。粉状そうか病には「男爵薯」並に弱い。ジャガイモシストセンチュウには感受性です。
二次生長は比較的少ないが、中心空洞を生じやすい。
食味は劣ります。
田口啓作.“終戦後本邦に取入れられた馬鈴薯品種とその特性”.農業及園芸.28(12):1393-1395 (1953)