【べにはるか】(農林64号:平成19年)「九州121号」×「春こがね」
- 良食味でいもの外観が優れる食用品種。
- いもは紡錘形で皮色は赤紫、肉色は黄白。蒸しいもの糖度が高く、食味は良好である。いもの外観が優れ、A品収量が高い。
- ネコブセンチュウに強であるが、黒斑病抵抗性は中~やや弱。貯蔵中の糖化が進みやすい。
【ときまさり】(農林63号:平成19年)「九州111号」×「コナホマレ」
- 高でん粉で醸造適性が優れる焼酎原料用品種。
- いもは短紡錘形で皮色は極淡紅、肉色は淡黄白。
- 原料当たりの純アルコール収得量が「コガネセンガン」より多く、焼酎は軽快な甘味とコク、いもの香りが強い特徴のある酒質となる。
- サツマイモネコブセンチュウにやや強。いもの貯蔵性も良い。
【アケムラサキ】(農林62号:平成17年)「アヤムラサキ」×「九系174」
- 高アントシアニン加工用品種。
- いもは長紡錘形で皮色は濃赤紫、肉色は濃紫。「アヤムラサキ」よりアントシアニン色素含量が高く、いもの外観やセンチュウ抵抗性が優れる。
- 色素原料用として利用できる。
【オキコガネ】(農林61号:平成16年)「ベニワセ」×「サツマヒカリ」
- いもは短紡錘形で皮色は淡黄褐、肉色は淡黄白。
- 多収でいもの外観が良く、貯蔵性に優れる。
- 低でん粉で低糖であることから、コロッケ等の惣菜に適する。
- 一方で、低糖であるために蒸しいもの食味が劣る。
【アヤコマチ】(農林60号:平成15年)「サニーレッド」×「九州122号」
- いもは紡錘形で皮色は赤、肉色は橙でβ-カロテンを含有。
- ネコブセンチュウに強、黒斑病抵抗性が中~弱。また、早掘りでやや低収になる。
- いもの形状や揃いが良く加工しやすい上に、食味が良いので、加工・青果用に向く。
- カロテン臭や変色も少ないのでサラダ調理に適する。
【ダイチノユメ】(農林59号:平成15年)「九系117」×「ハイスターチ」
- いもは紡錘形で皮色は両端にわずかに紅を帯びた白、肉色は淡黄白。
- センチュウに強く多収、黒斑病抵抗性は弱~やや弱。
- また、でん粉歩留まりが「コガネセンガン」や「シロユタカ」に比べ高く、貯蔵性にも優れるでん粉原料用品種。
- 焼酎用としての取り組みも始まっている。
【ハマコマチ】(農林58号:平成15年)「86J6」×「ベニオトメ」
- いもは短紡錘形で皮色は淡赤、肉色は橙でβ-カロテンを含有。
- ネコブセンチュウに強く多収、黒斑病抵抗性がやや弱~弱。
- また、蒸した時の肉色は濃橙、肉質はやや粘.。
- 、食味は中~やや上で、皮むき作業性も「泉13号」と同等であり、蒸し切り干し加工適性に優れる。
【クイックスイート】(農林57号:平成14年)「ベニアズマ」×「九州30号」
- いもは紡錘形で外観に優れ、肉色は淡黄。
- 蒸しいもの食味も良好で青果用に適する。
- 糊化温度の低いでん粉を含み、調理時間が短くても甘くなり、電子レンジで調理しても十分な甘さになる。
- 今までにない新規の特性から加工食品としても様々な利用が期待されている。
【パープルスイートロード】(農林56号:平成14年)九州119号を母本とする多交配
- いもは紡錘形で外観に優れ、肉色は紫。
- 比較的栽培しやすく多収の青果用紫いも。
- 食味に優れるので、青果用や大学いもなど食品加工に適する。
- 色素含有量はアヤムラサキの5分の1なので色素原料用には適さない。
【べにまさり】(農林55号:平成13年)「九州104号」×「九系87010-21」
- いもは紡錘形で外観に優れ、肉色は淡黄。
- 黒斑病に強く、多収で早掘りに適し、貯蔵性も良好。
- 黄色の濃いやや粘質の肉質で、食味に優れ青果用に適する。
【ムラサキマサリ】(農林54号:平成13年)「アヤムラサキ」×「シロユタカ」
- いもは紡錘形で外観に優れる。
- 肉色は濃い紫で色素原料用や加工食品原料に適する。
- ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウに強い。蒸しいもの食味が良くないので青果用には適さない。
【タマオトメ】(農林53号:平成13年)「九系70」×「ベニオトメ」
- いもは短紡錘形で肉色は淡黄。干しいもに適する。
- ネコブセンチュウに強く、蒸しいもの食味に優れ、多収で貯蔵性も良好である。
- 蒸したときの肉色が濃黄色なのでペーストにも適する。
【コナホマレ】(農林52号:平成13年)「ハイスターチ」×「九系82124-1」
- いもは短紡錘形で、皮色は淡褐で、肉色は淡黄白。
- 従来のでん粉原料用品種「コガネセンガン」、「シロユタカ」にくらべ、でん粉歩留まりが非常に高く、また収量性も優れ、でん粉原料に適する。
【サニーレッド】(農林51号:平成10年)「九系79」×「ベニコマチ」
- いもは長紡錘形で肉色は橙。パウダー原料用に適する。
- ネコブセンチュウに強いが、黒斑病にやや弱い。
- 加工食品、特にパウダー原料に向く。きれいな淡いオレンジ色のパン、麺、菓子を作ることができる。
【春こがね】(農林50号:平成10年)「関東103号」×「ベニアズマ」
- いもは長紡錘形で、外観は良好。皮色は濃赤紫、肉色は黄。
- 食味はベニアズマ並で収量は上回る。
- ネコブセンチュウやツル割病に弱いので発生地域では防除に努める。
- 沖縄県における青果用としての普及を見込んでいる。
【農林ジェイレッド】(農林49号:平成9年)「シロユタカ」×「86J-6」
- いもは短紡錘形で外観はベニハヤトより優る。皮色は淡赤で肉色は橙。
- ネコブセンチュウに強く、ネグサレセンチュウにもやや強いが黒斑病にはやや弱い。
- 加工食品、特にジュース加工用。生イモジユースは変色、人参臭ともに少なく、味
が優れる。
【エレガントサマー】(農林48号:平成8年)「関東99号」×「九州92号」
- 夏野菜として、葉柄を食用に利用する変わり種。従来の品種よりも葉柄が極めて長く、太く、揃いがよく、緑色で外観・品質が良い。
- 株当りの葉柄収量が多く、茹でたり揚げた時の食味が優れている。
【アヤムラサキ】(農林47号:平成7年)「九州109号」×「サツマヒカリ」
- 世界初の色素専用品種。農水省と民間の共同育成品種。
- 皮色は暗赤紫、肉色は濃紫、いもは長紡錘形で「山川紫」より収量性に優れ、アン
トシアニン含有量が高い。
- 色素用兼加工用としての利用が期待されている。
【ベニオトメ】(農林43号:平成2年)「九州88号」×「九系7674-2」
- 味が良く、形や大きさが揃いやすく、焼きいもなどに適した品種。
- サツマイモネコブセンチュウに強いほか、黒斑病にもやや強。貯蔵性も良い。
- 栽培が容易で、素人にも比較的簡単に栽培できる。
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