当館の近くに尚美学園大学がある。ここの文化人類学の教授、坂本邦彦先生が学生を連れて見学に来られた。
学生は男女五人ずつの10人。女子学生は5人ともサツマイモが大好きだという。そのわけをその1人がこう話してくれた。「砂糖のあまさって、きつすぎるじゃないですか。サツマイモのそれはやわらかい。そのやさしいあま味が嬉しいんです」
それを開いた他の女子学生も全員が「うん、そうそう」と大きくうなずいた。ところが男の学生は1人もそれに反応しなかった。そんなことはどうだっていいやという感じで、つまらなそうな顔をしていた。
わが国ではサツマイモは女や子供の好物とされてきた。子供は男でも女でもそれが大好きだ。それは小学校の給食を見ても分かる。ところが女子と違い、男子は大きくなるとサツマイモから離れていく場合が多い。男に限ってどうしてそうなるのだろう。不思議な現象だ。