佐賀県三養基郡基山町から、藤田義則さんが来てくれた。同町は福岡県との県境にある静かな所だったが、さいきん急に変わりだした。道路事情がよくなり、福岡市への通勤可能地になった。それで住宅団地などもできるようになり、活気が出てきたという。
藤田さんは50歳。農業をしながら「北俣」という雑誌を出している。自然と農業を大事にする人たち向けのもので、年1回刊。毎回、特集を組んでいて次号はそれがサツマイモだという。
同誌のバックナンバー、1998年号を頂いた。その特集は「もうひとつの戦争-帰らざる軍馬」だった。旧日本軍の人間の招集令状は赤紙だった。馬にも軍馬としての召集があり、その令状は「青紙」に書かれていた。
そういうことを知っている人は、もう80歳以上になっている。それだけに取材に苦労されたそうだが、内容がすばらしい。いい仕事をしている人だなあと感心した。
軍馬ほどではないが、サツマイモも昔のことを知っている人が年々少なくなっでいる。基山町の古老から昔のサツマイモの品種と作り方、貯蔵法、食べ方などをできるだけたくさん聞いて頂きたいとお願いした。