「甘藷先生」として知られる青木昆陽の墓は、目黒不動で有名な東京目黒の滝泉寺にある。その縁で同寺では毎年10月28日に盛大な「甘藷祭」を行っている。
当日は広大な境内の一角に「甘藷コーナー」が特設される。 ここに、全国のサツマイモ関係者や生いもやいも菓子、いも料理、いも焼酎などの店を出すのでそれはにぎやかだ。最近はサツマイモも健康食の1つとして人気が出て来たので店数も客も増える一方だ。
今年は甘藷先生生誕300年に当るので、 それとは別に目黒区民センターで特別記念行事「さつまいもフェスタinめぐろ」が開催された。今日がその日で主催者は同実行委員会と財団法人いも類振興会。事務局は目黒区地域振興部経済課が担当した。そこでサツマイモ関係商品の展示即売会とシンポジウムが行われ、わたしも後者の講師の一人として招かれた。
シンポジウムはどうしても固いものになってしまうのに、 500人入りのホールが満席になってしまったのには驚いた。それが終わってからの反省会の席で目黒区のベテラン区議、二宮啓吉さんがこんな嬉しい挨拶をされた。
「いままで目黒といえばサンマでした。でもこれからはそれだけではない。ここを首東京のサツマイモ文化の拠点にしていきましょう」と。 サツマイモによる地域おこしは農村部でだけでなく、巨大都市の中でも始まっている。