登録番号 | 農林認定 | − | |
種苗法 | − | ||
北海道優良品種 | ばれいしょ北海道輸第34号 | 2000. 3. 7登録 | |
原品種名 | Snowden | アメリカ | 1990 |
地方番号 | (P971) | (輸入品種等選定試験の番号) | (1997) |
(C33) | (カルビーポテト(株)の試験番号) | ||
系統番号 | |||
組合せ | B5141-6×Wischip (アメリカウィスコンシン大学) | 系譜図 |
花 (北見農試) | 草姿 (北見農試) | 塊茎 (北見農試) |
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用途 | 加工食品用 (ポテトチップ) |
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長所 |
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短所 |
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1973年に米国ウイスコンシン大学において、良チップカラー・高乾物系統の「B5141-6」を母、「Wischip」を父として交配した真正種子より選抜され、1990年に「Snowden」の名で公開されたポテトチップ加工適性の高い品種である。(系譜図)
平成3年(1991)にカルビーポテト株式会社が「Snowden」の種いもを輸入し、以降、同社は検疫を終了した塊茎を使用し試験用種いもの増殖を開始した。平成6年(1994)から平成8年(1996)まで「C33」の名で同社試験圃場において輸入品種選定予備試験を実施し、平成9年(1997)より「P971」の名で、北海道の輸入品種等選定試験等に供試した結果、平成12年(2000)に北海道の奨励品種に決定した。貯蔵中の還元糖の増加によるチップカラーの低下が少ないため、「きたひめ」よりさらに遅い時期まで原料として用いられている。平成26年(2014)には十勝・オホーツク・上川地方を中心に、ポテトチップ用としては「トヨシロ」、「きたひめ」に次ぐ1,665ha作付けされている。
そう性は中間型で、茎長は「トヨシロ」より長い。茎色は緑で赤紫の斑紋を生じます。葉色は淡緑で、小葉の大きさはやや小である。生育後半に下葉が落ちやすい。花色は白で、花粉は無く、自然結果は無である。
ふく枝は長く、いもの着生位置も深い。いもの形は球形、皮色は褐色で、表皮の粗滑は粗である。目は浅い。肉色は白である。
休眠期間は「トヨシロ」と同様に長い。枯凋期は「トヨシロ」より遅い中晩生である。株当り上いも数は「トヨシロ」に比べやや多く、上いも平均一個重はやや小さいが、極大粒がほとんどないので、ポテトチップの生産工程での選別や極大粒いもの半裁処理等の省力化が可能である。品種決定前の試験では、上いも収量はやや少ないとされていたが、現在は適地の選定や栽培技術の向上などにより、低収性は克服したといわれる。澱粉価は「トヨシロ」より低い。
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性は無い。疫病圃場抵抗性は「トヨシロ」と同程度で、塊茎腐敗抵抗性は「トヨシロ」より強い強である。PVY-Oに対する接種当代の病徴は、上位葉にえそ症状を現すが、上位葉へのウイルスの移行は少ないようである。PVY-Tに対しては上位葉にモザイク症状を現す。そうか病抵抗性は「トヨシロ」より強く「アトランチック」並の中である。褐色心腐、中心空洞は「トヨシロ」より少ない無で、二次生長は「トヨシロ」と同様に微である。
肉質は中である。チップ・フライの褐変程度は「トヨシロ」と同じ微である。収穫後から貯蔵中のグルコース含量は「トヨシロ」に比べ低く推移し、収穫時のチップカラーは「トヨシロ」とほぼ同等で、収穫後9℃で貯蔵し無加温で4〜6月に加工した場合には「トヨシロ」よりチップカラーは高く、現在、国内で栽培されているポテトチップ原料用品種では、長期貯蔵性に最も優れている。チップの色は優れているが、いもとしての食味はやや劣る。
北海道一円、ただしジャガイモシストセンチュウ汚染地域は除く。
・ふく枝が長く、緑化塊茎が発生しやすいので、畦幅を広めにとり、培土は早めに行う。
・ふく枝が長く、塊茎着生位置が深いので、ハーベスタの掘り取り深度に注意する。
・多肥栽培は避ける。
天野洋一,塩澤耕二,大原益博 編.“農作物優良品種の解説 (1996-2004)”.北海道立農業試験場資料 第34号(2005).北海道立中央農業試験場
ばれいしょ「P971」(スノーデン) (成績概要書)品種PROFILE スノーデン (カルビー株式会社 品種紹介)
ジャガイモ品種「スノーデン」(SNOWDEN)