登録番号 | 農林認定 | − | |
種苗法 | 第12966号 | 2005. 3.23登録 | |
北海道優良品種 | ばれいしょ北海道第37号 | 2001. 3.16 | |
地方番号 | P982 | (輸入品種等選定試験の番号) | (1998) |
系統番号 | H91008-2 | ||
組合せ | ホワイトフライヤー×さやか (1991 ホクレン農総研) | 系譜図 |
花 (北見農試) | 草姿 (北見農試) | 塊茎 (北見農試) |
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用途 | 加工食品用(ポテトチップ) |
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長所 |
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短所 |
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低温下で長期貯蔵が可能な加工食品用(ポテトチップ用)品種の育成を目標に、ホクレン農業協同組合連合会農業総合研究所と北海道農試との共同研究により育成された品種である。
平成3年(1991)に北海道農業試験場において、早生・良質(難糖化性)の「ホワイトフライヤー」を母、中生・大粒・多収の「さやか」を父として人工交配し、翌年以降ホクレンにおいて選抜を行い、平成10年(1998)から「P982」の系統名を付し、北海道立中央、上川、十勝、北見農業試験場及び北海道農試において輸入品種等生産力検定試験を行うとともに、中央農試でジャガイモシストセンチュウ抵抗性検定試験及びウイルス病抵抗性検定試験、十勝農試で栽培特性検定試験及び塊茎腐敗抵抗性検定試験、北見農試でそうか病抵抗性検定試験、北海道農試で疫病抵抗性検定試験及び調理加工適性試験を行い、平成11〜12年に道内各地の現地試験に供試した。その結果、ポテトチップ加工適性、特に低温貯蔵後におけるチップカラーが優れ、ジャガイモシストセンチュウにも抵抗性を有することから、平成13年(2001)に北海道の奨励品種に決定した。なお、「きたひめ」はそのすべての権利がホクレンにあることが確認されている。
十勝地方を中心に作付けされており、主に貯蔵後のポテトチップ原料として用いられている。北海道における作付面積は平成17年(2005)に1,000haを超え、平成26年(2014)の作付面積はポテトチップ原料用としては「トヨシロ」に次ぐ1,888haであった。
(「きたひめ」の系譜図へ)
そう性はやや開張で、茎長は「トヨシロ」並で、茎はやや細く、茎翼はやや波である。茎色は緑で茎の二次色は無く、分枝数は中である。葉色は緑、小葉の形は中で大きさはやや小である。花の数は中で、花色は白で花裏に紫の着色がありる。花粉の量は中で、結果数は中である。いもは球形で、皮色は黄白、表皮はやや滑である。目の数はやや多で、深さはやや浅い。生肉色は白である。
休眠期間はやや短い。枯凋期は「トヨシロ」より遅く「農林1号」より早い中生である。株当たり上いも数は「トヨシロ」並の中、上いも平均一個重はほぼ「トヨシロ」並の中、上いも収量、中以上いも収量は「トヨシロ」並ないしやや多い"中"である。でん粉価は「トヨシロ」並ないしやや低い中である。
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性主働遺伝子H1を持ち抵抗性は強である。疫病圃場抵抗性、ジャガイモYモザイク抵抗性及びそうか病抵抗性は弱、塊茎腐敗抵抗性は"中"である。褐色心腐・中心空洞・二次生長の発生はいずれもほぼ「トヨシロ」並の微である。
用途は主に加工食品用(ポテトチップ用)である。チップ・フライの褐変程度は微で「トヨシロ」並ないしやや優り、「農林1号」より優る。6℃の低温貯蔵後、無加温で加工した場合のチップカラー(アグトロン値、1月〜5月)は、「トヨシロ」及び「農林1号」より優り、「ノースチップ」並に優れる。
大いもに中心空洞が発生することがあるので、多肥や疎植を避ける。
(ホクレン)長谷川久記、五十嵐敏、大坂雅博、後藤正宣、北智幸、在原章公、児玉幹司、安田慎一
(北農試)梅村芳樹、木村鉄也、佐藤正人、西部幸男、森元幸、米田勉
平成4年に北農試は権利を放棄
天野洋一,塩澤耕二,大原益博 編.“農作物優良品種の解説 (1996-2004)”.北海道立農業試験場資料 第34号(2005).北海道立中央農業試験場
ばれいしょ「P982」 (成績概要書)品種PROFILE きたひめ (カルビー株式会社 品種紹介)