登録番号 | 農林認定 | ばれいしょ農林58号 | 2006.10. 4 |
種苗法 | 第17573号 | 2009. 2.26 | |
北海道 | (地域在来品種等) | ||
地方番号 | 北海93号 | ||
系統名 | 勝系 5号 | ||
系統番号 | W952202-13 | ||
組合せ | インカのめざめの開放受粉 | 系譜図 |
花 (北海道農業研究センター) | 草姿 (北海道農業研究センター) | 塊茎 (北海道農業研究センター) |
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1995年に旧北海道農業試験場(現(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター)におけるばれいしょ育種圃場において採種された「インカのめざめ」の開放受粉種子を翌年播種した中から選抜された品種です。2001年に「勝系5号」の育成地番号、2003年に「北海93号」の地方番号を付して試験を行った結果、収量性は4倍体の普通栽培種の品種には及びませんが、2倍体小粒品種「インカのめざめ」と同様の調理特性を有しながら収量性の向上が達成できたことから、2006年に「インカのひとみ」と命名登録され、種苗法に基づく品種登録を申請しました。
茎長は「男爵薯」よりも長く、「インカのめざめ」並の“短”、茎色は“赤紫”、茎の太さは“細”です。分枝数は“少”、そう性は“やや開張”です。葉は「インカのめざめ」と同様の“濃緑”、小葉の大きさも“やや小”ですが、小葉着生の疎密は「インカのめざめ」よりも疎の“やや疎”です。開花数は“少”、花色は「インカのめざめ」と異なり1次色は“赤紫系”、2次色は“白”が“星形”に分布し、花冠の形も“やや鈍角”です。自然結果は“稀”です。いもの形は“倒卵”、皮色は1次色は“淡赤”、2次色は“黄褐”が“目の周囲”に分布し、目の深さは“浅”、肉色は“橙”です。
熟性は「男爵薯」及び「インカのめざめ」より遅い“中早生”です。上いも重、中以上いも重は「男爵薯」よりも少なく、「インカのめざめ」よりもやや多い“極少”、上いも平均一個重も「男爵薯」よりも小さく、「インカのめざめ」よりやや大きい“極小”です。休眠期間は「インカのめざめ」並の“極短”です。塊茎の早期肥大性は「男爵薯」及び「インカのめざめ」並の“やや速”です。澱粉価は「男爵薯」よりやや高く、「インカのめざめ」より低い“やや低”です。
疫病、Yモザイク病には「インカのめざめ」同様に弱く、そうか病及び塊茎腐敗には“中”程度の抵抗性を持っています。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性は有していません。
塊茎の生理障害は、中心空洞及び裂開、二次生長の発生は“無”、褐色心腐の発生は“微”です。
水煮による煮くずれの程度は「インカのめざめ」並の“少”、調理後の肉質は“やや粘”です。チップの褐変程度は“少”、フライの褐変程度は“微”です。食味は“上”です。カロテノイド系色素は「インカのめざめ」よりやや多く、生いも1kg当たり7.7μg含まれます。用途は“調理用”です。
Akira Kobayashi, Akiko Ohara-Takada, Shogo Tsuda, Chie Matsuura-Endo, Norikazu Takada, Yoshiki Umemura, Takashi Nakao, Tsutomu Yoshida, Kazuya Hayashi and Motoyuki Mori. Breeding of potato variety “Inca-no-hitomi” with a very high carotenoid content. Breeding Science, Vol. 58 (2008) No. 1 pp.77-82
カラフルポテトの新顔B橙黄肉の新品種候補「北海93号」【技術普及】 (北海道農業研究センター 平成17年度北海道農業研究成果情報 )
ばれいしょ地域在来品種等の特性「北海91.92.93号」 (HRO農業技術情報広場) 試験研究成果)
ばれいしょ地域在来品種等の特性「北海91号」「北海92号」「北海93号」 (北海道農業研究センター 研究成果2005ダイジェスト)
「インカのひとみ」:カロテノイド系色素を含有する橙黄肉で良食味のばれいしょ品種 (北海道農業研究センター プレスリリース)
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「ブランド・ニッポン」開発品種(2) カラフルポテト次世代 (農畜産業振興機構 月報「野菜情報」2006.12)
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