中津川芋
写真:埼玉県 彩の国農産物トクトク情報 より
「中津川芋」とも呼ばれ、中津川渓谷付近で淡赤皮の別品種(これも「中津川芋」と呼ばれる)とともに昔から栽培されてきた品種で、現在も大滝村、両神村で自家採種によりわずかながら作付されているものと思われます。名前の通り、皮色が紫色の品種です。
神戸大学の保坂和良博士は、大滝村より「中津川いも」と「紫いも」を取り寄せ、葉緑体DNAと核DNAを分析したところ、「中津川いも」については普通バレイショと同じ葉緑体DNA(T型)を持つことから、明治以降に導入されたものであろうと推定しています。一方、「紫いも」は近縁亜種のS.tuberosum ssp.andigenaと同じA型葉緑体DNAを持ち、核DNAも普通バレイショと異なりandigenaに類似していることを明らかにし、1600年頃ヨーロッパからジャカトラを経て長崎に入ったバレイショの末えいであろうと推論しています。
葉は小さく、花は紫色です。いもの皮色は紫です。
平均一個重30〜40gのいもを生産し、いもの肥大を抑えるために無肥料で栽培されています。低標高地ではいもの肥大率が高いため、標高400m以上で栽培されています。
病害は少ないとされています。